2025年11月04日

188 自己防衛術 女性専用 クマ対策にも使える防犯ブザーは?

ずいぶん寒くなりました。お元気ですか?間が空きましたが、久しぶりの投稿です。

全国でクマが出現し、北海道や東北地方では人が殺される被害も出ています。基本的にクマに出くわさないようにすることが大切ですが、最近のように「アーバン・ベア」が出没するともっと積極的な対策が必要になります。以下のようなことが専門家から助言されています。これらはかなり至近距離(3メートル〜5メートル)にクマが迫った時の対策です。

2024 クマに出会ったら1.png

もっと迫ってきたら以下の姿勢です。もし転がされても、また同じ姿勢をとってください。

防御耐性.png


クマに対抗するにはクマ除けの鈴ではなく、クマ用スプレーが必需です。しかし、大型で、一般人が普通に持ち歩くには難があります。今回は人だけでなく、少し離れた距離にいる(10メートル以上)クマ対策にも使える防犯ブザーを探していて見つけた製品を紹介します。辛口のコメントが役に立つと思いますので、コピペします。メーカーの宣伝文句よりずっとリアリティがありますが、あくまで人を相手のしたときを想定していることを忘れないでください。もし、身近に迫ってくるクマに本当に有効なホーンを探すなら、もっと音圧の高い大型のものが必要になるでしょう。


(コピペ開始)


防犯ブザー 大音量 135dB 強力ライト 充電式 type-c 大容量バッテリー 大人 小学生 非常用 緊急避難 防災グッズ 防犯グッズ
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(コメント)

まずは護身用品を購入しようとしているあなたに大前提の格言を。
“Don’t go to stupid places; don’t associate with stupid people; don’t do stupid things.”
愚かな場所で、愚かな人たちと、愚かなことをしてはいけません。
最も簡単に生還できる戦いとは、あなたがその場にいなかった戦いなのです。

この商品はライト付きの防犯ブザーです。今の三十台が小学生の頃に学校で渡されたものと比べたら、高機能ですね。

備え付けのライトは、意外に便利です。例えば夜道を歩くときに常にライトを点灯しておくと、変質者避けになるかもしれません。たいていの変質者は暗い場所で悪いことを行います。周囲を常に照らして歩いている人物には警戒を示すかもしれません。タクティカルライトではごく一般的な機能である、「ユーザーが能動的に起動できるストロボ」がないのは個人的には気になりますが、日常生活に於けるストロボの使用頻度を考えたら、単純なON/OFF トグルスイッチに機能を絞ったことは正解だと思います。家に入る前も、必ず点灯することをお勧めします。室内に変質者が侵入している場合は、すぐにその存在に気づくことができます。そして、足元のゴキブリを踏み潰す危険性も低くすることができます。

このようなギアは一つの機能に集約されているべき(KISS原則)だという意見もありますが、個人的にはこのコンビネーションは高評価できます。特に防犯ブザー(に限らず、催涙スプレーとかもね)のような製品は機能を一つに集約した場合、めったに使うことがない道具を持ち歩くことになってしまいます。使用機会が極めて少ない道具を常に身に着けるのは想像以上に苦痛であり、ユーザーは自然に持ち歩かなくなってしまうものです。このライトは日常生活で大いに役立ちます。我々は非常事態に遭遇するよりも日常を生きている時間のほうが長いので、タウンユースに活用できるのはとても魅力的で、持ち歩く習慣を自然に身に着けることができるでしょう。

……ただし、このライトの光量は「車のハイビーム相当!」では絶対にありません。なにをどうしたらそのように見えるのか? 100年前の車のハイビームを想定してるのかな? 個人的な体感としてはせいぜい80lmから100lm程度の光量のように感じられ(当方所有のBrowning Black label EDC Pistol flashlight(205lmフラッシュライト)より明らかに暗すぎる)ガチャガチャのキーホルダーとか100均のライトよりはマシかもしれませんが、野外ではせいぜい3ヤード先ぼんやりと照らすことができる程度です。また、光はかなり拡散するため、間違っても目つぶしにはなりません。「ウアッマブシ」程度です。これで目つぶしして逃げようと考えてはいけません。だが、考えようによっては光量が限られているのは便利です。日常生活においては、1000lmもあるタクティカルライト連中は嵩張るだけですから。優しい光は、いざというときに役立たなくても、あなたのQOLを向上します。ちなみに室内だとライトの性能はゲタを履くので(壁と天井に反射する)多少ましになりますが防犯ブザーを暗い室内で使用することはまずないでしょうから、あまりプラスにはならないと感じました。

ブザーの鳴動は、上部のタブから下部の筐体を引き離すことで行われます。引っ張るだけで起動できるのは昔ながらのアプローチですが、なんだかんだコレがベストでしょう。市場には、メーンスウィッチを複数回押下することでブザーを起動する製品があるようですが、そのようなものと比べると単純な動作で起動できるので(ストレス下で小さなボタンを連打するなんてのは……ご勘弁願いたい)緊急時でも確実に扱えると考えます。

ブザー音はかなりうるさく、耳にキンキンくる音ですが、何を根拠に135dbを謳っているのか不明です。せめて、計測機材と計測距離を記載することは必要ではないでしょうか? まあ、想定されている用途は十分に遂行できると思います。ブザーが鳴動している間、ライトはストロボモードで間欠点灯を繰り返します。災害時には便利ですが、後述する催涙スプレーと組み合わせた戦術を実行する際には、ストロボではなく常時点灯してくれているほうがありがたいので、一長一短ですね。ちなみに誤作動防止のためか、タブを引き離すのには結構な力が必要です。確実に固定できる位置に装備しておくと簡単に起動できます。位置がずれないように固定し、ブザーの起動動作がマッスルメモリーに刻まれるほどに練習してください。いざというときにブザーを空振りしてしまったら、何の意味もないからです。

付属のカラビナは、「オシャレでカワ★」だけど、率直に言ってそれだけです。軸が細く、所有者が転倒したら衝撃で曲がってしまいそうだし、肝心要の安全環部分は、数時間OWBで使用すると、安全環が勝手に緩み、開いてしまっていました。ブザーを起動する際には接触面積が大きい(軸が太い)ものと接しているほうが楽に起動(引き出す)できるので、本気で使うなら、より堅強で、確実に固定しておくことができるカラビナを使用してください。「安全環つきステンレス製カラビナ」がオススメです。これらのカラビナはオシャレではありません。ゴツいです。でも、確実に機能し、大幅な耐久性向上が約束されます。……純正のカラビナを使用するなら、せめてネジロックで安全環部分を固定することを強く推奨します。いざというときにブザーが脱落していたら、お話になりませんから。

充電をType-C USBで行うことができるのは非常に便利ですね。電池を取り換える形式ですと、一度電池切れを起こすとわざわざ交換してまで持ち歩くのがおっくうになりかねません。ただし、製品仕様では1年は保つと書かれていますが、本気で護身を考えるなら半年ごとに商品を買い替えるのをオススメします。なにが起こるかわからないからです。いざというときに壊れているというのは避けたいものです。それと、ライトを点灯した状態で毎日使用すると、電池の消耗が早くなる可能性があります。充電口を保護しているカバーは、ちょっと強度が不安です。幾度も開けたり閉めたりすると、大昔のガラケーの充電口カバーよろしく千切れてしまいそうです。

防水性能を持っているようですが、IPX等級が記載されていないのは不親切で不自然な感じがします。

総評すると、これは便利な防犯ブザーです。だが、どう見ても車のハイビーム相当ではないライトの光量や、どのようにして計測されたのかわからないデシベル数値、オシャレで皮なだけのカラビナ、IPX等級の記載が存在しないなど、所々で不親切です。この価格帯なら仕方ないことかもしれませんが、本当に所有者の生命を守るためには、正直で、透明性の高い製品である必要があります。けれど、その一方でライト機能や軽量さ、Type-Cによる充電はとても便利なので、防犯ブザー初心者(?)に推奨できます。ええ、私も初心者なのでこの製品を買いました。半年から一年以上は付き合う可能性が高いので、信頼し、尊重し、相棒として大切に扱いたいと思います。

~実際に使用する場面を想定するなら~

まず大前提として、この製品は護身用品です。子供のおもちゃやアクセサリー、あるいはお守りではありません。最悪の場合に命を守ってくれる"武器"として認識してください。変質者をこれで殴り倒すことはできませんが、この製品を購入したあなたは、なにも持っていない人間より優れています。自分の身を自分で守れることはとても大切です。取り付ける場所はベルトや、ベルトループに限定してください。硬いベルトを使用することを推奨します。オシャレな白い合皮のベルトにこのブザーを組み合わせたとしても、ハンドバッグに取り付けるよりは絶対にマシです。

ハンドバッグの取っ手に取り付ける(オフボディキャリー)のは便利de可愛くて、この冬の必須アイテム感が出ますけど、いざというときに役に立ちません。バッグをひったくられたら? バッグが離れた場所にあったら? これらの装備は絶対に腰回りに帯びる(OWBする)ようにしてください。理想的な取り付け位置は左利きなら11時、右利きなら1時です。体の正面側に置くことで、護身の準備ができていることをアピールできますし、いざというときでもこの配置なら即座に使用できます。また、備え付けのフラッシュライト機能を実用的に使用することを考えたらこのセッティング以外ありえません。バッグの中に入れたり、ポケットの中に入れてファンデーションの粉まみれにすることは許されません。キーホルダーとして使用することもまったくもって意味がないし、危険です。死にたくないなら、すぐに取り出すことができ、確実に機能する位置に取り付けて使ってください。

また、防犯ブザーの用途は変質者に襲われる場面だけではありません。あなたが病気やけがで動けなくなったとき、誰かが動けなくなっているとき、事故現場や家事に遭遇した際にも、防犯ブザーがあれば助けを呼ぶことができます。これはスタンガンや催涙スプレー、アメリカのルールなら携行が許可される強力な武器でさえも実現できない、防犯ブザーならではの「護身」といえます。

そういう場面で使用することを想定しても、素早く使用できる位置に備えていることはとても重要です。非常事態に遭遇すると、人間は「闘争・逃走反応」を引き起こし、体がこわばったり、声を出せなくなります。体のこわばりも声が出せなくなるのも、訓練を行えば克服できますが、準備ができていなくても、助けてと叫ぶことができなくても、ブザーを起動することさえできれば、少なくとも助けを呼ぶことができるのです。

もし、あなたが変質者に襲われたら? 躊躇うことなく防犯ブザーを起動し、走り、「火事だ!」と叫んでください。逃げることが最大の自己防衛です。戦うことは避けてください。無事に遁走できたなら、あなたの勝利です。あなたは誰も傷つけることなく、そして死なずに生き残った。誰も傷つけることなく場を打開できる可能性があるのは、あらゆる護身用品の中でも防犯ブザーだけです。これには攻撃能力は一切ありません。しかし、絶対に誰も傷つけない装備です。

この種のギアは有効に使うために幾度もトレーニングしておく必要があります。防犯ブザーに限らず、あらゆるギアは買っただけで納得して、"持ってるだけ"では何の意味もありません。重要なのはトレーニング、トレーニング、トレーニングです! ……しかし! 防犯ブザーはその特性上、トレーニングが行いづらいです。電池交換式の場合、電池を外してしまえばいくらでもドローストロークを学ぶことができますが、この製品はリチウムバッテリーを充電するタイプなので、電池を外すことができず、完全なトレーニングを行うことが困難です。ガチで使いこなすつもりなら、この製品を二つ購入し、一つを意図的に充電切れにして、トレーニング用に使うことを推奨します。ただし、この手段でトレーニングを行う場合、練習用ブザーにはわかりやすい目印を付け、決まった場所に保管するようにしてください。取り違えを防ぐためです。外出時に充電切れブザーを持ち歩いてしまったら、いくらトレーニングしても、なんの意味もありません。

思ったんですが、トレーニング用防犯ブザー(イナートブザー?)が売られていたら便利かもしれませんね。このレビューを見てるあなた、ビジネスチャンスかもしれませんよ。

もしも防犯ブザーだけでは足りないと考えているなら――すべての変質者がブザーの大音響で追跡をあきらめるとは限らない――催涙スプレーの併用を推奨します。防犯ブザーを11時の位置、催涙スプレーを5時の位置に取り付けておき、いざというときには左手で防犯ブザーを起動し、右手で催涙スプレーを取り出して、逃げてください。どうしようもないときにのみ、催涙スプレーを使用します。この製品はライトがついているため、ターゲットへの照準を助けてくれます。ブザーとして起動しているときはストロボモードになってしまうので、完全ではありませんが、ローライトコンディションで催涙スプレーを使用することを考えたら、ストロボでもないよりマシです。ブザーは投げるようにとよく言われますが、催涙スプレーとこの製品を併用する場合、ブザーを投げるとせっかくの照明器具を失ってしまうため、推奨しません。

ちなみに、私は催涙スプレーを携行することを推奨しているわけではありません。日本の法律では、催涙スプレーを携行することは基本的に軽犯罪法違反になります。しかし、もしもあなたが真剣に自己防衛を考えているのなら、自己責任の上で考えてみてください。……罰金を払うか死ぬか(あるいは、尊厳を踏みにじられるか)、どちらがマシかを。 あなたなりの判断で、この製品を最大限に活用してあげることができる組み合わせを見つけてみてください。生き延びることができたら、その時点であなたの勝利です。防犯ブザーをなめ腐っている連中を高みから見下ろしてください!

追記: この製品に限らず、防犯ブザーは女子供向け(いやな表現だなぁ)の印象が広まっているように思いますが、いいえ、そうではありません。男性も防犯ブザーを持ち歩くべきです。男性は変質者に襲われないという考え方は、単なる怠惰です。……「オレは相手を殴り倒せるもんネ」? リアルに訪れる危機は、80年代の青年向けコミックで描かれるような、典型的なシナリオとは違います。また、疾病管理予防センター(CDC)によると、男性の9人に1人が生涯のうちに何らかの形の性的嫌がらせを公の場で経験していると推定されています。もしかしたら、あなたが次の性犯罪の被害者かもしれません。あなたが"真の男"だったとしても、そんな局面で相手を殴り倒せると思わないでください。きっと、声なんて出せませんよ。自分自身や大切な人を守るために、男性も防犯ブザーを持ち歩きましょう。……こりゃあたしの個人的な性癖なんですが、自己防衛意識が高い男性は、魅惑的に見えるもんですよ(核B)

追記2: 思いついたんですが、最近流行している催涙スプレーを使ったいたずら行為(護身用品を悪戯に使うなんて、最低クソ野郎どもだ!)に遭遇した場合でも、この種の防犯ブザーは非常に効果的だと思います。催涙材が顔面に命中した場合、顔面と目玉を襲うとてつもない激痛で叫んで助けを求めることは困難だと思いますが、防犯ブザーがあれば、動けなくなっている状態でも助けを呼べるかもしれません。防犯ブザーでは催涙スプレーで悪戯するゲス野郎を痛めつけることはできませんが、せめて恥ずかしい目に合わせてやりましょう。


(コピペ終了)




今回の記事はここまでです。


次回をお楽しみに。

posted by セイフティ・アドバイザー at 10:56| Comment(0) | 生き残るために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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